演目と配役
山本周五郎 原作
矢田弥八 脚色
大場正昭 演出
一、ゆうれい貸屋(ゆうれいかしや)
美しい幽霊が現れて…人情喜劇の傑作
江戸は京橋。桶屋の弥六は、腕は確かながらも仕事もせず、すっかり酒に溺れています。女房のお兼や家主の平作が戒めるのにも耳を貸さず、遂にお兼は実家へ帰ってしまいます。やがて日が暮れて、弥六の前に突如現れた美しい幽霊。成仏できず彷徨う染次という芸者の幽霊は、弥六を見染めると、女房にしてくれと言い寄ります。戸惑いつつもまんざらでもない弥六は、幽霊との奇妙な暮らしを始めるのでした。そんな弥六と染次が思いついたのが、恨みを晴らしたい人に幽霊を貸し出す「ゆうれい貸屋」。その商いが大繁盛する一方で、染次が呼んだ旧知の幽霊、屑屋の又蔵が現れると…。
長屋を舞台に市井の人々の哀歓を繊細に描いた山本周五郎の小説を原作に、幽霊との暮らしや奇想天外な「ゆうれい貸屋」の稼業など、一風変わった笑いにあふれる展開が繰り広げられます。人情喜劇の傑作にご期待ください。
桶職弥六 |
巳之助 |
芸者の幽霊染次 |
児太郎 |
弥六女房お兼 |
新 悟 |
魚屋鉄造 |
中村福之助 |
娘の幽霊お千代 |
鶴 松 |
鉄造女房お勘 |
青 虎 |
爺の幽霊友八 |
寿 猿 |
屑屋の幽霊又蔵 |
勘九郎 |
家主平作 |
彌十郎 |
山川静夫 原案
西川右近 作・振付
二、鵜の殿様(うのとのさま)
鵜飼を題材としたユーモラスな舞踊劇
夏の盛り。暑さ凌ぎに腰元たちと舞に興じる大名は、太郎冠者を呼び寄せると、故郷の鵜飼の様子を語らせます。それを聞いた大名が自らも鵜飼ができるかと尋ねると、容易いことだと太郎冠者。しかし、太郎冠者は日頃の憂さ晴らしに、鵜飼をよく知らない大名に鵜の役を指南して…。
本年2月の博多座で好評を博した舞踊劇が、早くも歌舞伎座で上演。長良川の夏の風物詩・鵜飼を題材に、盛夏にうってつけの可笑しみあふれる舞台をお楽しみください。
太郎冠者 |
幸四郎 |
大名 |
染五郎 |
腰元撫子 |
笑 也 |
腰元浮草 |
宗之助 |
腰元菖蒲 |
高麗蔵 |
河竹黙阿弥 作
一、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
髪結新三
悪の本性を現す、新三の凄味
小悪党の新三は、白子屋に出入りする髪結。白子屋では一人娘のお熊に婿を迎えようとしていますが、お熊は店の手代忠七と恋仲です。その事情を盗み聞いた新三は、忠七に駆け落ちを唆(そそのか)し、その晩、お熊を連れ出させます。ところが、永代橋のたもとで突如豹変した新三に打擲(ちょうちゃく)される忠七。新三はお熊を拐(かどわ)かして身代金を要求しようと企んでいたのです。さて、お熊を取り戻すためにやって来た俠客の弥太五郎源七を追い返した新三でしたが、老獪(ろうかい)な長屋の家主・長兵衛が交渉に来ると…。
鰹売りの声や、湯上りの浴衣姿の新三など、江戸に生きる人々の生活を鮮やかに描いた名作者・河竹黙阿弥の代表作。手練れた髪結の仕事から一転、悪の本性を現してみせる新三の凄味、威勢の良い啖呵を切る姿、家主との小気味良いやり取りはみどころです。江戸情緒を随所に感じられる、生世話物の名作をご堪能ください。
髪結新三 |
勘九郎 |
弥太五郎源七 |
幸四郎 |
手代忠七 |
七之助 |
下剃勝奴 |
巳之助 |
丁稚長松 |
長三郎 |
お熊 |
鶴 松 |
家主女房おかく |
歌女之丞 |
車力善八 |
片岡亀蔵 |
加賀屋藤兵衛 |
中 車 |
家主長兵衛 |
彌十郎 |
後家お常 |
扇 雀 |
二、艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか)
紅翫
夏に涼を呼ぶ、爽やかな風俗舞踊
富士山の山開きで賑わう、浅草・富士浅間神社。夕涼みに人々が集まるなか、江戸で評判の遊芸を見せる紅翫がやって来て、面を使った踊りや多彩な芸を披露します。庄屋の銀兵衛、虫売りのおすず、団扇売りのお静、朝顔売りの阿曽吉、蝶々売りの留吉、大工の駒三、町娘のお高、角兵衛獅子の神吉らと、皆で賑やかに舞い踊ります。
夏の江戸風俗を軽妙洒脱に描いた舞踊を、花形俳優による清新な顔合わせでお楽しみください。
紅翫 |
橋之助 |
虫売りおすず |
新 悟 |
朝顔売阿曽吉 |
中村福之助 |
大工駒三 |
歌之助 |
角兵衛神吉 |
勘太郎 |
町娘お高 |
染五郎 |
蝶々売留吉 |
虎之介 |
団扇売お静 |
児太郎 |
庄屋銀兵衛 |
巳之助 |
ミステリー界の鬼才・京極夏彦が書き下ろす
新たな謎解き物語――
京極夏彦 脚本
今井豊茂 演出・補綴
狐花(きつねばな)
葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)
ミステリーの鬼才・京極夏彦が書き下ろす
新たな謎解き物語――
時は江戸。作事奉行・上月監物(こうづきけんもつ)の屋敷の奥女中・お葉は、たびたび現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていました。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、“この世に居るはずのない男”でした――。この騒動を知った監物は、自らの過去の悪事と何か関わりがあるのではと警戒します。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、“憑き物落とし”を行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋(ちゅうぜんじじゅうさい)が監物の屋敷に招かれます。謎に秘された哀しき真実とは…。
その独自の世界観で読者を魅了し続ける小説家・京極夏彦が、小説家デビュー30周年の記念すべき年に、初めて歌舞伎の舞台化のために書き下ろした『狐花 葉不見冥府路行』。古本屋を営む京極堂こと中禅寺秋彦が憑き物落としによって事件の真相を解き明かしていく大人気小説「百鬼夜行」シリーズ、そしてシリーズ作品としては前代未聞の直木賞・柴田錬三郎賞・吉川英治文学賞という文学賞三冠を果たした「巷説百物語」シリーズにも連なる今回の物語は、「百鬼夜行」シリーズの主人公・中禅寺秋彦の曾祖父・中禪寺洲齋の時代を描き、美しい青年の幽霊騒動と作事奉行らの悪事の真相に中禪寺が迫ります。数多の傑作ミステリーを手がけてきた鬼才が歌舞伎と小説を同時に生み出す注目の本作。謎の真相に驚きと切なさが胸を揺さぶる新たな謎解き物語にご期待ください。
中禪寺洲齋 |
幸四郎 |
萩之介/お葉 |
七之助 |
近江屋娘登紀 |
新 悟 |
監物娘雪乃 |
米 吉 |
辰巳屋番頭儀助 |
橋之助 |
辰巳屋娘実祢 |
虎之介 |
的場佐平次 |
染五郎 |
上月家老女中松 |
梅 花 |
辰巳屋番頭仁平 |
廣太郎 |
信田家下男権七 |
錦 吾 |
雪乃母美冬 |
笑三郎 |
近江屋源兵衛 |
猿 弥 |
辰巳屋棠蔵 |
片岡亀蔵 |
雲水 |
門之助 |
上月監物 |
勘九郎 |
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※「中禪寺洲齋」の「齋」の上部中央は、 正しくは「了」です |
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