演目と配役
江戸歌舞伎の色彩美あふれる豪華な舞台
源頼朝の信任が厚い工藤祐経の館。富士の巻狩りの総奉行に任じられた祐経が祝宴を催し、多くの大名が集まっている所へ、曽我十郎と五郎の兄弟が対面を願い出ます。二人の父は、18年前に祐経の不意打ちにより落命。兄弟の面差しからその縁者と覚った祐経に対し、二人は名乗りを上げます。父の仇を討とうと逸る五郎は祐経に詰めよりますが…。
舞台上に歌舞伎のさまざまな役柄がそろう華やかな祝祭劇。歌舞伎の様式美が凝縮されたひと幕にご期待ください。
工藤左衛門祐経 |
梅 玉 |
曽我五郎時致 |
松 緑 |
曽我十郎祐成 |
錦之助 |
近江小藤太 |
坂東亀蔵 |
化粧坂少将 |
米 吉 |
八幡三郎 |
莟 玉 |
梶原平次景高 |
吉之丞 |
梶原平三景時 |
橘三郎 |
小林朝比奈 |
又五郎 |
鬼王新左衛門 |
歌 六 |
大磯の虎 |
魁 春 |
与右衛門の非道とかさねの怨念、恐ろしくも美しい舞踊劇
武家に仕えていた与右衛門は、腰元のかさねと道ならぬ恋の果てに心中を約束した仲でしたが、かさねを残して出奔。追ってきたかさねと木下川の堤で再会します。そのとき、川面に鎌の刺さった髑髏が流れ着きました。与右衛門が拾って鎌を引き抜くと、かさねは悲鳴をあげて倒れてしまいます。すると、美しいかさねの顔が見るも恐ろしい形相へと一変し…。
清元の名曲に乗せて繰り広げられ、色模様から壮絶な殺し場に至るドラマ性に満ちた舞踊劇をお楽しみください。
与右衛門 |
幸四郎 |
捕手沢田 |
隼 人 |
同 飯沼 |
鷹之資 |
かさね |
猿之助 |
秀山ゆかりの狂言
双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
引窓
家族の義理と人情が交差する世話物の名作
京都近郊の八幡の里。南与兵衛は、父の後妻となった義母お幸と女房お早と暮らしています。仲秋の名月を明日に控え、お幸とお早が放生会の準備をしているところへ、幼い頃に養子に出されたお幸の実子、相撲取りの濡髪長五郎が訪れます。長五郎は主筋への義理で人を殺めてしまい、母に一目会おうとやってきたのです。そこへ代官にとり立てられ、十次兵衛を名乗ることを許された与兵衛が帰ってきます。しかし、与兵衛に命じられた代官としての初仕事は、長五郎を捕縛することで…。
初世吉右衛門(俳名 秀山)ゆかりの本作を「秀山ゆかりの狂言」として上演いたします。親子の情愛に感じ入る、心温まる義太夫狂言の名作にご期待ください。
濡髪長五郎 |
吉右衛門 |
南与兵衛後に南方十次兵衛 |
菊之助 |
平岡丹平 |
歌昇 |
三原伝造 |
種之助 |
お早 |
雀右衛門 |
お幸 |
東蔵 |
坂東玉三郎が皆様にご挨拶、そして「映像×舞踊特別公演」の企画解説をいたします。
鷺の精の狂おしく一途な恋心
一面の銀世界。池のほとりにたたずむ若い娘が、恋に思い悩む胸の内や男心のつれなさを踊ってみせます。実はこの娘は、鷺の精が姿を変えたもの。人間との道ならぬ恋をした咎として、地獄の責め苦が襲い始めます。激しさが増す雪の中、鷺の精は羽ばたき続けますが、やがて力尽きると…。
白無垢姿の出から衣裳の引き抜きなど、変化に富んだ長唄舞踊の傑作。今回の上演では映像を織り交ぜ、麗しく幻想的な舞台をご堪能いただきます。