※昼の部/夜の部 同一演目にて上演します
江戸川乱歩生誕一三〇年
江戸川乱歩「人間豹」より
岩豪友樹子 脚色
九代琴松 演出
齋藤雅文 演出
一、江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)
明智小五郎と人間豹
市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候
幸四郎・染五郎親子が魅せる、伝説の乱歩歌舞伎!
<みどころ>
『江戸宵闇妖鉤爪』は、江戸川乱歩の小説「人間豹」を原作に、平成20(2008)年に初演された新作歌舞伎です。松本幸四郎(当時染五郎)が発案から10年ほどの歳月をかけて歌舞伎として舞台化し、父・松本白鸚(当時幸四郎)が九代琴松の名で演出を手がけました。
舞台は混沌とした幕末の江戸。“人間豹”と呼ばれる半人半獣の殺人鬼・恩田と、名探偵明智小五郎の対決を軸に、早替りや宙乗りなど歌舞伎特有の演出をふんだんに盛り込みながら、乱歩の世界観を見事に描いた本作は、当時大きな反響を呼び、翌年には早くも続編を上演、その後再演も果たしました。
そして江戸川乱歩生誕130年にあたる令和6(2024)年、伝説の作品がついに博多座で上演決定!明智小五郎役は、本作の生みの親で、初演時に恩田を演じた松本幸四郎。恩田役には以前から本作への参加を熱望し、博多座初出演となる市川染五郎です。時代を超えて幸四郎・染五郎親子の共演で新たに生まれ変わる、妖しくも耽美な乱歩歌舞伎にご期待ください!
<あらすじ>
時は「安政の大獄」で揺れる江戸末期。色男で道楽者の下級武士・神谷芳之助の恋人が、何者かによって惨殺される事件が立て続けに発生する。これらの事件には、犯人に狙いをつけられてからちょうど100日目に殺され、肩には鋭く咬まれたような傷を負うという共通点があった。明智小五郎は、それらを同一犯の犯行とにらみ、人を食い殺す“人間豹”の仕業と見極める。次の狙いが自分の女房であるとわかった明智は、人間豹・恩田乱学に敢然と立ち向かう。
明智小五郎 |
幸四郎 |
恩田乱学/神谷芳之助 |
染五郎 |
商家の娘お甲/女役者お蘭/明智の女房お文 |
雪之丞 |
目明し恒吉 |
廣太郎 |
老婆百御前 |
千次郎 |
小林屋新吉 |
宗之助 |
居酒屋主吾兵衛 |
錦 吾 |
与力畔柳半左衛門/蛇娘お玉 |
高麗蔵 |
山川静夫 原案
西川右近 作・振付
二、鵜の殿様(うのとのさま)
「鵜飼」を題材にした楽しい舞踊劇が歌舞伎で初登場!
西川右近の振付により「名古屋をどり」にて初演された狂言仕立ての松羽目舞踊です。
盛夏の季節。とある大名が暑さをしのごうと、家来の太郎冠者へ「鵜飼」という涼の遊びを披露するよう命じます。早速、鵜飼の由来を語る太郎冠者。腰元たちを鮎に見立て、鵜が鮎を捕る様子をみせますが、やがて大名も鵜飼遊びの真似事に加わります。そこで太郎冠者は、鵜飼をよく知らない大名に鵜の役を、自身は鵜匠となって、鵜飼ならではの漁法のやりとりを指南するのですが …。
太郎冠者を幸四郎、大名を染五郎が勤めます。鵜飼の様子をユーモラスに取り入れた本作は、技巧とともに、笑いを誘う明るい雰囲気に包まれるひと幕です。
太郎冠者 |
幸四郎 |
大名 |
染五郎 |
腰元 |
雪之丞 |
腰元 |
宗之助 |
腰元 |
高麗蔵 |